5000万円物語

【第6話】労働漬けの日々

第6話:労働漬けの日々

僕が泡を噴きながらネットビジネスの世界に逃げ込んだのは、
第一に家庭環境の改善、第二に労働への恐れでした。

僕が始めて体験した労働は15歳の春です。

我が家の貯金はほとんどなく、
ギリギリ高校に通えるほどの家庭環境の僕は、
両親にお小遣いをもらうことはできず、
中学を卒業した1週間後に働き始めました。

ただ、15歳という先週まで
中学生だった僕を雇ってくれるアルバイト先はありませんでした。

タウンワークに「高校生でも働けます!」と書いてあっても、
実際は16歳だったり、17歳からだったりしました。

働くことに難航しました。

やっとのことで隣町にある
小さなスーパーでアルバイトができました。

当時時給650円という、法定最低賃金の時給です。

今思い返すと涙の出るような時給ですが、
それでも1日中血眼になって働けば5000円くらいにはなりました。

先日中学を卒業した僕にとって5000円は大金でした。

月末には7万円以上の給料が僕の口座に振り込まれました。

そのような途方もないお金を一度に手にする機会は、
これまでにお年玉くらいしかありませんでした。

僕は始めて体験する労働というものの威力に、興奮を覚えました。

この体があれば金を稼ぐことは簡単だと思いました。

働けば湯水のようにお金が噴き出ると思いました。

職場の環境もまた素晴らしくよかったです。

僕が胸をときめかせながら初出勤すると、
さっそく先輩にお店のジュースとガムを振る舞われました。

もちろん誰もお金を払っていません。

アルバイトたちは無断で商品を横領しているのです。

それまでアルバイト経験のない僕は、
社会とはそういうものなのかと納得をし、
なんて働くことは素晴らしいんだろうと歓喜しました。

スーパーにはとにかくお客さんが来ませんでいた。

自動ドアなんてものはなく、
スーパーに入るときは手動ドアを開けて入ります。

レジも自動で精算してくれるものではなく、
人力で計算するタイプ。

冷蔵庫もぼろぼろで、
いつも冷蔵庫の下から結露が溶けて
床がびしょびしょになっています。

惣菜もまずく、毎日のようにクレームが来ます。

それで近所の大型スーパーと置いてある商品が同じ値段なので、
お客さんなど来るはずがありませんでした。

店長はめったに顔を出さず、
いつもお店の二番手の社員が店の管理を行なっていました。

僕の先輩は勤務中ずっとお店のジャンプを立ち読みしていたし、
他の先輩はレジで携帯ゲームをずっとやり込んでいました。

夕方になると近所の主婦がやってきますが、
それも30分くらいで流れは終わります。

とにかくすることがありません。

僕は惣菜に値引きシールを貼る係だったので、
夕方に1回20%オフの値札を貼り、
その1時間後に30%オフを貼り、
その1時間後に半額シールを貼ります。

作業時間は5分程度なので、
1時間のうち55分は店内をうろうろ巡回するだけでした。

僕はバックヤードで
PSPのモンスターハンターでいつも一狩りしていました。

むしろ僕の仕事は
モンスターハンターといってもいいくらいでした。

強いモンスターに逃げられると、
飽きて目的もなく店内をうろうろしました。

暇なので近所のおばあさんと
1時間以上談笑したことも何度もあります。

僕が勤務時間外にスーパーに遊びに行くと、
先輩がレジに足をあげていることもありました。

別の先輩は自宅が近所らしく、
よく勤務中に自宅に帰っていました。

聞くと汗をかいたからシャワーを浴びていたそうです。

その間店内はもぬけの殻です。

さすがにそこまで僕はできませんでした。

営業時間は22時まででしたが、
21時を過ぎてお客さんがいなければ、
さっさと店を閉めたりしていました。

それからみなでバックヤードに移動し、
残った惣菜を勝手に食べたり、
中にはお酒を飲んで酔っ払う先輩もいました。

1日の売上がトータルで2万円だったこともありました。

僕はこの仕事を気に入っていました。

椅子に座ってモンスターハンターをしていればお金をもらえるので、
文句などあるはずがありませんでした。

働くことは良いことでした。

唯一の不満といえば、
20時を過ぎたあたりに近所に住む未成年の不良たちが
お酒を求め押し寄せてくることでした。

もちろん彼らはお金など払わず、
スカスカのカバンを持ち込んでパンパンに商品を詰め込み、
会計もせずに颯爽と店を後にします。

もはや盗賊です。

さすがに不良どもの横暴に耐えかねた先輩が、
ある日万引きしているところを注意しました。

不良たちのカバンを取り上げ、
中身を見てみると仰天しました。

その日不良たちは、
万引きをしていなかったのです。

おそらく先輩が商品棚から不良たちを監視していたことに気づき、
商品を盗んでいるふりをしていたのです。

先輩がしどろもどろしていると、
明らかに彼らのリーダーと思わしきチンピラが怒鳴り込んできました。

店内でリーダーは喚き散らしますが、
お客さんもおらず僕らしかいないので誰も助け舟を出してくれません。

結局先輩は不良たちの前で土下座することになり、
携帯のカメラで土下座している無様な姿を写真に収められていました。

土下座する先輩を見て、
僕は警察を呼ぶべきだと思いましたが、
報復を恐れた先輩にやめろと止められました。

その後、不良たちのリーダーは
別件で傷害事件で逮捕されたことをニュースで知りました。

知らせを聞いた僕らは祝杯をあげ、
これからも平穏な日々を取り戻したと思いました。

しかし僕が働き始めて8ヶ月ほど経ったある日、
突如としてスーパーは潰れました。

楽しい労働の日々は、そこで終了となりました。

途方に暮れた僕はその後もアルバイトを転々とし、
気がつくと高校を卒業。

自動車整備の専門学校にも進み、
有名カーディーラーへ就職が決まりました。

誰もが聞いたことがある超大手企業です。

ですがここからの職場は
僕の想像を絶するほど、過酷な環境でした。

先に結論を話すと、
僕は自由になるまで3回再就職をしました。

すべての会社が想像を絶するブラック会社でしたが、
その中でも特に新入社員で働いた会社が激務だったので、
まずはそれを書いて行きます。

ここでの労働経験が
その後の僕の人生を思い切りねじ曲げました。

第7話へ続く。

【第7話】地獄のような労働 ・第1話:はじめに ・第2話:僕の人生からサラリーマンという選択が消えた ・第3話:月収500万円の憂鬱 ・第...

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