【第3話】月収500万円の憂鬱

第3話：月収500万円の憂鬱

おそらくこれを書くと反感を買うかもしれませんが、
月500万くらい稼げるようになったとき、僕は毎日が暇でした。

2020年ごろの話です。

その5年ほど前までは、
僕は地元の自動車工場で車の部品を組み立てる工場で働いていました。

ネットビジネスを始めて1年後、
それまで忙しい日々を送っていた僕の元に、
突然膨大な時間とお金が手に入りました。

365日、24時間自由な人生。

すべての時間が自分の自由になる状況を、
少し想像してみてください。

いうならば、小学生の頃の夏休みが永遠と続く状態です。

こんな小学生が考えるような妄想を、
まさか現実に自分の身に訪れるなんて、
夢にも思いませんでした。

僕の作ったブログやサイトが、
僕の代わりに働いてくれました。

夜寝て朝起きたら、
10万円くらいの報酬が発生していることがよくありました。

お金の使い方なんて、よくわかりませんでした。

田舎に住んでいてテレビもあまり見ないので、
ブランド物がいっぱい欲しいとか
そういう欲望を刺激されることも少なかったです。

とりあえず欲しかった漫画を全巻まとめ買いしてみました。

実家が貧乏だったので、多少のお金を仕送りしました。

それでも現実味を浴びませんでした。

ある意味放心状態だったのかもしれません。

毎日好きなだけ寝て、
近所のカフェで読みたかった漫画を読んで、
飽きるまで映画を観て、
その後にネットサーフィンをしていても、
まだ1日が終わりませんでした。

正直、時間をかなり持て余しました。

それまでの僕のモチベーションは、
労働やお金に束縛された人生から解放され、
自由な人生を行きたいという強烈な欲求でした。

好きなときに、好きな人と、好きなことをする自由な世界。

それを手に入れたかったのです。

一度しかない自分の人生を、
会社のためではなくて、
自分のために思い切り使いたい。

そうした人生をかけた目標を掲げると、
ほとんど瞬間的とも言えるほどの短期間で叶えた僕は、
一時的に「燃え尽き症候群」となっていました。

それ以上お金を稼いでも、
これ以上使い道なんて想像できませんでした。

だから1日1時間くらいのメンテナンスをして、
それ以外ほとんど何もしなくなりました。

自由になったとしても、それは僕だけです。

地元の友人たちは自由ではなかったし、
2年ほど付き合った彼女にも振られていたので、
必然的に僕は多くの時間を一人で過ごしました。

夕方になると友人たちが仕事が終わって遊びに誘われるので、
早く夕方にならないかなと漫画を読んで待ち侘びていました。

田舎だから、起業家のコミュニティのようなものもありませんでした。

近所にスーパー銭湯がありました。

暇なので平日の昼間から銭湯に行くと、老人ばかりでした。

就職という長い戦いを生き抜いてきた老人たちの背中を見ながら、
来る日も来る日も呆然とお風呂に浸かりました。

適当に旅行もしてみました。

混雑する連休を徹底的に避け、平日のみ行動をしました。

どの観光地に行っても、老夫婦ばかりでした。

彼らの歩くペースはゆっくりなので、
僕もそれに合わせて観光地を巡りました。

僕の世界は老人ばかりになってしまったぞと震えました。

第4話へ続く。

【第4話】起業に興味のない起業家 ・第1話：はじめに ・第2話：僕の人生からサラリーマンという選択が消えた ・第3話：月収500万円の憂鬱 ・第...

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僕は自動車工場で働きながら起業し、
パソコン一台で5000万円以上を稼ぎました。

人脈・才能・環境に恵まれたわけでもありません。

もともと家庭は父親の自営業失敗で極貧で、
3回再就職をするもすべてブラック企業でした。

そんな僕でもビジネスに出会い、
少しの期間だけ真剣に取り組んだところ、
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そのビジネスを学ぶ過程で、
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。