5000万円物語

【第5話】父親の自営業失敗

第5話:父親の自営業失敗

僕が小学6年生の頃、
我が家に妹が生まれました。

僕とひと回りも離れた妹は、
親戚中からちやほやされました。

このとき、きっと父親の中には、
何かこう男として成功したいという思いがあったのだと思います。

その後、父親は我が家の貯金を使い、
ぬいぐるみの代理店販売事業をスタートしました。

ぬいぐるみをおもちゃ屋さんに設置してもらい、
売れた分だけ数%父親に還元されるシステムです。

父親は全国を飛び回っていました。

そのとき営業車として
マツダDEMIOという車を購入しました。

1年間の走行距離は10万キロをゆうに超えました。

今日は大阪、明日は福岡、明後日は島根、と
雨が降ろうと雪が降ろうと右に左に動き、

勇敢に立ち向かっていく父親の姿を見た僕は、
かっこいいと思いました。

僕は父親の営業車に同席し、
一緒に全国のおもちゃ屋さんを巡りました。

最初はおもちゃ屋さんも
ぬいぐるみの設置を快く引き受けてくれていました。

設置してくれている店舗数が1つ、2つと増えていくと、
我が家の収入も右肩上がりになっていくのです。

設置店舗が決まると、我が家の夕食は豪華になりました。

父親も母親も僕も妹もニコニコしていました。

しかし、それも半年を過ぎると、

「売れないから撤去してくれ」

という電話が父親のもとに何件も鳴りました。

僕と父親は急いで営業車に乗り込み、
おもちゃ屋さんに足を運びました。

僕は車内で父親が帰ってくるのを待っていましたが、
窓を覗くとおもちゃ屋さんで
父親が背中を丸め頭を下げているのを見ました。

その日だけで、2回父親は背中を丸め、
頭を下げる光景を目の当たりにしました。

営業車の後部座席には、
売れ残りのぬいぐるみ達の残骸が積み上がっていきました。

父親の背中はみるみる萎みました。

父親は激減する我が家の収入を見て、
家に帰らずに飛び込み営業に明け暮れました。

生まれたばかりの妹を、
これから大学まで進学させないといけない。

父親は家に帰ってくると、
母親を口論をするようになりました。

僕は部屋で何も聞こえないふりをして、
妹に絵本を読ませていました。

父親が飛び込み営業に明け暮れ始め1年後には、
夫婦が10年以上働いて貯めた財産は消滅しました。

そして、後から知った話ですが、
父親はそのとき親戚中から借金をしていたそうです。

我が家にあったわずかな貯金すべて消え去りました。

どこかに雇ってもらってはどうかと母親が勧めても、
父親は一切耳を貸しませんでした。

父親の部屋に転がる大量のぬいぐるみは、
すべて購入したものなので、
これらを捌かないと生活ができないそうなのです。

このぬいぐるみ達は、
きっと父親の一世一代の男としての賭けだったのだと今では思います。

しかし、その数ヶ月後に父親は自営業を倒産させ、
借金返済の日々が始まりました。

「お前なんか消えればいいお前なんか消えればいい」

母親が父親の部屋のドアを刺したり、
余ったぬいぐるみ達を包丁で刻んでいるのを僕が止めました。

2歳を迎える妹は、毎日泣き叫んでいました。

その後、母親は我が家の貯金が無くなり、
さらには借金返済の生活がスタートしたことで気が狂いました。

お風呂場から母親がくすんくすんと泣く声が、
僕の部屋にまで届いていました。

母親は鬱病になりました。

そのとき父親は知人のつてを使い、
地元の有名電気屋さんに契約社員として入社しました。

50歳を迎える父親にとっては、
人生の最後の就職です。

その数年後、
父親はバイクで通勤中に交通事故に遭いました。

泣きながら僕に電話をかけてくる母親の声を聞き、
頭が真っ白になりました。

急いで病院に駆けつけると、
医者から意識不明の重体と告げられ、
僕は膝から崩れ落ちました。

数日後、急死に一生を経て父親は生き返りました。

しかし、父親には後遺症が残りました。

「認知症」です。

契約社員で働くことが出来ていた電気屋さんでの勤務日数は、
みるみるうちに激減しました。

どうやら職場で業務内容を認知症の症状で忘れていたため、
従業員に多大な迷惑を被っていたようです。

父親が働く日数が減ると、我が家の収入も激減します。

母親は毎月病院から配布される「鬱病」を抑える薬を、
スーパーの袋いっぱいに詰め込んである量を、
たった1ヶ月で飲み切っていました。

僕はその袋を持ったとき、
どうにかしてあげたいと心の底から思いました。

母親はボロボロになっても、
我が家を支えるために近所のスーパーのパートに明け暮れました。

第6話へ続く。

【第6話】労働漬けの日々 ・第1話:はじめに ・第2話:僕の人生からサラリーマンという選択が消えた ・第3話:月収500万円の憂鬱 ・第...

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